取締役の神田さんにKYOSOテクノロジの未来について聞いてみました。
様々な業界団体活動や社外連携を推進し、KYOSOテクノロジの新たなるステージを模索する先に何を見据えているのか?
神田さんを突き動かす原点とは?

新卒でKYOSOテクノロジに入社。取締役就任までの軌跡

-入社後、どのようなキャリアを積まれてきたんですか?

当時は派遣事業がメインでしたので、京都に本社を置くグローバルメーカー先に常駐しながら分析機器の開発を担当していました。
開発プロジェクト自体はメカ、エレ、ソフトと一人ずつクライアントの社員が担当していたのですが、
メカ設計領域を私が担当していました。
最初は顧客からいろいろと教えていただき、だんだんできる領域を増やしていきました。
最終的には、メカの領域は私がメインで担当することになったという感じでしょうか。

-印象に残られているエピソードがあれば教えてください!

抽象的な話ですが、グローバルメーカーの開発部門の方々って本当に頭が良い人が多いなぁと(笑)。
複雑な計算をいとも簡単に解いてみたり、海外の関係会社と普段通りにコミュニケーションしたり。
シンプルにすごいなぁと思っていました。

-すごいですね…

そんな中、徐々に専門知識を身につけて自分ができる範囲が広がってくると、
自然と顧客からも信頼されるようになっていっていきました。

そんなすごい方々から頼りにされるようになったことが純粋に嬉しかったですね。
結局、12,13年ほど常駐して複数の新製品開発プロジェクトに参加させてもらい、
その後受託部門の強化という名目で本社に帰ってきました。

-当時の受託部門はどのような状況だったんですか?

当時は機械と基板設計の受託がメインで、回路やソフト開発はやっていませんでした。
また、案件自体も詳細設計以降の案件が多くてなかなか魅力的な案件も少なかったですね。

もちろん派遣事業部の方が売上比率としても大きく、
顧客からも派遣会社としての認知はあるが設計会社としての認知度は皆無に近い状況でした。

-なるほど、その受託部門の強化をミッションとして担当されたわけですね。

そんな大層なことではないんですけどね…
優秀な後輩、部下にも恵まれなんとか設計受託の事業として成り立っていき、
2003年には親会社から事業分社という形で「KYOSOテクノロジ」が設立され、
そのタイミングで現KYOSOテクノロジの取締役になりました。

そして「さて、これからもう一伸び」という時期にリーマンショックが起こりました。

リーマンショックを通して学んだ経営者としての視点

-リーマンショックですね。想像を絶します。。。

大変でしたね。社員に休業や賞与の一部カットをお願するなど、
当時は他の多くの会社で実施した非常事態施策でしたが、
やはりそれを実行しなければならないことは心身ともにきつかったです。

ただ、その厳しい状況を全社一丸で共有し、
対応し続けたことでリストラをせずに乗り切れたことは組織が強くなったという意味で良かったとも思っています。

我々は人材がすべてなので、これだけはしないと。
その想いを貫き通せたことは本当に良かったです。


また、リーマンショックを経験から経営者として学んだことは、「自社の立場や思考だけで経営していることの危うさ」です。

景気が良いと自社の立場と思考だけで成長モデルを描いてしまいがちですが、
ひとたび景気が反転すると、そのモデルは通用しなくなり正しい情報も集められず、
結果的に思考停止に陥るということを経験した訳です。
この経験は大きな転機となりました。

実は、リーマンショック前から社外で幾つか業界活動は行っていましたが、
その動機は「自社の仕事を取るため」という内向き(社内向き)思考でした。

しかしリーマンショックで「業界全体が良くなければ自社は存在しえない」ということを強烈に気付かされて以降、
業界活動の動機は完全に外向きに変わりました。

弊社パンフレットにも掲載している主要な業界活動「関西設計管理研究会」、「京都制御システム工場」、「京都試作ネット」などは、
この外向きの動機をベースに現在も幹事職として活動を続けています。
今では業界を良くすることで結果的に自社の価値が高まり、
自社の価値が高まることで業界も良くなるという、外(業界)と内(社内)の関係性が明確に腹落ちしています。

そして、その関係性を種として、KYOSOテクノロジのこれからの戦略が生まれています。

——————主要な業界活動——————
関西設計管理研究会
 関西のものづくり企業を会員として活動する設計や開発のマネジメントに関する研究会

京都制御システム工場
 京都におけるIoT/IoEをはじめとした各種制御システムの発展と推進および、制御システム開発者の地位向上を目的とした連携団体

京都試作ネット
京都のものづくり中小企業連携による、試作に特化したソリューション提供サービス

顧客から真に選ばれる会社づくりの道筋とは?

-なるほど、ありがとうございます。
では、そのこれからのKYOSOテクノロジについて教えてください。

そうですね、大きく言うと「ソリューション提供ができる存在」に変わっていくことを目指しています。

既存事業である派遣、受託で提供している価値自体を「顧客課題の解決」に変えていく中で、
当社がその「Hub」となることで新たな市場や分野に積極的に参画していきたいと考えています。

-詳しく教えてください!

もともと当社の事業領域は顧客が自社で賄えない人的リソースやノウハウなどを提供することでした。
ただ、テクノロジーやデジタルの波は製造業界にも波及してきており今後はますます業界全体の変化が大きく、
かつ変化へのスピードが求められてくると思っています。

それに対応できる会社とできない会社の二極化が進むと考えており、
当社はそのような外部環境変化の中において、どう舵取りをするか?
というテーマが最重要項目になってきています。

今、顧客から求められることは最大限高い価値として提供していきますが、
今後将来にわたって求められることにも投資していくスタンスを強めていきたいと思っています。

-なるほど。勉強になります。

顧客が問題の原因をわかっていて解決するための術を知っているのであれば、
今でも多数の会社が存在するので結局は価格競争になる。
結果的に従業員への還元もできないサイクルに陥ってしまうと。

また今後はその解決策さえもわからない問題に直面するやもしれません。
むしろテクノロジー化が進んでいることにより、そういった問題や課題は業界全体として増加するのではないかと。

そのため顕在化している課題だけではなく、潜在的な課題をも解決できる存在でありたいと思っています。

-具体的にどんなことに着手されているんですか?

一例を挙げると、まだ詳しくはご紹介出来ないのですが、
京都の地域活性化に関する事業プロジェクトに関わることが決まっています。

デジタル技術を活用することで、ものづくり業界全体の効率化や次世代のものづくりプロセスを創造し、
業界全体の活性化を京都で進めていくという事業モデルです。

-もともと参画された背景はどんなものだったんですか?

モノづくりにおける従来のプロセスを効率化してリードタイムや開発コストの削減を狙い大手メーカーから中小企業まで、
ものづくり全体の課題解決をしていきたいと思ったことが背景です。

海外では進んでいるのですが、
ドイツでは開発工程のデジタル化を図るサイバーフィジカルシステム(=CPS)やインダストリー4.0など、
産官で連携していくモデルを作って行っています。

参考:サイバーフィジカルシステム(=CPS)
参考:インダストリー4.0

これらの概念によりモノづくりのプロセス改革を飛躍的に進めることもそうですし、
大量生産によるコモディティ化された製品ではなく、
少ロットのカスタマイズ製品を生み出せるようなことが実現できる世界をいちはやく京都で実現できたらと思っています。

それを実現するために当社が「Hub」となって貢献できればと考えています。

-面白いですね。
一方でKYOSOテクノロジへのメリットは何なのでしょうか?

このモデルで蓄積されるノウハウや情報を既存事業の価値拡大につなげたり、
小規模でもKYOSOテクノロジブランドとした製品づくりをしていくことも視野に入れております。


いわゆるメーカーとしてブランドを持つということです。

-壮大な夢がありますね!

少しずつですが、親会社であるKYOSO社や社外組織と連携した事例なども出来てきているのでより加速して進めていきたいと思っています。

勿論、そのベースに「業界全体が良くなること」をブラさずに据えておきます。

-ありがとうございます。
神田さんのモチベーションの源泉ってなんですか?

うーん。(笑) 

これまで色々な経営者と接する中で、挑戦する機会は平等にあって、
その機会を見つけ挑戦していくかどうかは自分次第。

そして、どうせやるなら全力で楽しむ!というスタンスを意識してきました。

また、そうした挑戦を通して、70人ほどの中小企業でも世の中や業界の課題解決に貢献でき、
社会の発展に直接インパクトを与えることが出来るということを自ら示していきたい、という思いでしょうか。

KYOSOテクノロジが、早く成長したい、新しいことに挑戦したいなど
気概のあるエンジニアが多く在籍している会社であるためのモデルケースになれれば良いなと思っています。

-本日はありがとうございました!

こちらこそありがとうございました。